こんにちはわたぞう(@asahitv)です。
不動産関連の本を読んだので新しい知識や感想をまとめます。
大谷義武さんという不動産会社の経営をされている方が書いている
「利益と節税効果を最大化するための 収益物件活用Q&A50」というタイトル
概要
初心者~中級者向けの不動産の物件選びから融資、管理、税務、売却までまるっと解説しているような本で400P弱のなかなか太めの本。でも1問一問の書き方をしているので、ささっと読めてました。
内容はこんな感じ
- 序章 収益物件の活用で、会社と個人のお金を未来に残す
- 第1章 買うべき物件、買ってはいけない物件を見極める物件取得編Q&A
- 第2章 長期・低金利の好条件で融資を引き出す融資編Q&A
- 第3章 事故・トラブルをスムーズに解決して機会損失を防ぐ管理運営編Q&A
- 第4章 効果的なタックスマネジメントで手残りを最大化する税金編Q&A
- 第5章 物件の最適な売り時と売り方を見極める出口戦略編Q&A
僕はスクールで全体的にそこらへんは学んだので、知ってる内容も多かったが復習になりました。
ただ全く知らなかったカテゴリのノウハウもあって非常に勉強になりました。
特に興味深かったのを2つご紹介します。
物件取得編「借地権」について
今まで借地権ってだけで懸念して条件良くてもスルーしてました。
ただ都内のめちゃくちゃいい場所で手が届きそうな値段で売っているケースもよく見ていて借地じゃなかったらな~と思っていました。(借地じゃなかったらそんなに安くなるわけないのだが)でもこれを読んだら全く無いわけでもないという気になりました。
借地権の種類
借地権の物件は、土地を借りて上に建っている建物だけ購入するんですが、
借地権には大きく2パターンあって、「旧法借地権」と「定期借地権」があり、両方とも土地を借りるので、お金を定期的に支払う必要があるのですが、「定期借地権」は借りる期限が付いているので、後00年に土地を返さないといけません。
更新しなければ実質更地になり消滅するわけです。つまり借り手には不利にできている。
一方「旧法借地権」は借り手に有利になっており、土地の所有者の一存で更新を拒絶することはできなくて、借り手が希望すれば数世代に渡っても借り続ける事ができるのです。
もちろん、所有者に承諾を取る必要がありますが、借地権付きの物件として売買することができます。
これは所有権に近い感じもしますよね。(正確には全然違いますが)
部屋の賃貸と一緒ですが、所有者より賃貸人の方が権利が強いんです。
ただこれにより、地主の方は貸したら二度と戻ってこないと嘆いている事態を変えるために新法が平成4年に作られました。それが「新法借地権」です。
これは普通借地権と定期借地権があり、定期借地権は基本更新が出来なく更地にして返却しないといけないのです。
ただ新法ができても「旧法借地権」は生き続けるので、投資対象としてはアリな物件ということなのです。
デメリット
デメリットとしては、融資が通りにくいです。融資が通りそう、もしくは現金の人は通常より2.3割安いので、対象にしてもいいかもしれません。
気をつけるポイント
契約期間と更新料です。基本的には高額になるケースが多いので、残年数の確認が必要になります。また建替えや売却の時は、承諾だけでなく所有者への承諾料がかかるので、こちらも確認が必要です。
後は毎月の地代ですね。
これが高すぎたら、利回りが悪くなりますのでその計算が必要になってきます。
後は売却する際の承諾が降りないなどトラブルが発生するケースも多々あるようです。
所有者との関係性を保つことはもちろんのこと、どんな人なのか?が重要になってきます。民間の業者ではなく、お寺の住職などが所有者だと比較的安心かもですね。
もう一つは自分が弱いカテゴリである税金編です。
税金編「減価償却」について
減価償却とは
減価償却は、税金面で非常に重要なウェイトを締めているもので、通常税金って「所得ー経費」に課税されるものなので経費をどれだけ計上するのかっていうのが節税のポイントになりますが、お金を使わなくても経費として計上できるのが「減価償却」です。
建物だけにかかるもので建物の価値を残対応年数で割って出た金額を計上できます。
※減価償却の細かい話は省略します
減価償却を利用すると
築古木造は減価償却期間が短いから、節税効果がいい。タワマンは上下の減価償却が一緒だから物件価格の高い上層階を買うと相続税対策に良いとか色々あります。税金関係でめちゃくちゃ重要なものだなと改めて感じました。
決算書が赤字だと今後の融資に悪影響があるっていうのも、キャッシュフローでの赤字はNGだけど、減価償却での赤字は融資の評価に影響は無いのです。
延々と説明してきましたが、僕がこの本を読んで「!?」となったのは減価償却は単純に節税できてラッキーという内容ではなく売却時にその税金がかからなかった利益に対して、ここで課税されるのです。
つまり課税の先送りということになるのです。
課税の先送りなら意味ないのでは?
では先送りしているだけで意味ないじゃんと思うのですが、
それは違って、先送りすることで手元にキャッシュを残すことで、リフォームなどの物件の管理にお金を使ったり、他の物件を購入する資金にしたりすることが出来ます。
また先送りにするメリットは別の本業などの赤字が出た(として)際に、物件を売却する事(利確)で利益と損失の相殺ができるというわけです。
それに加えて個人の場合は、保有時と売却時の税率が違うのです。
保有期間中の損益は減価償却で赤字にした場合、所得税最高税率の場合55%になり、売却時(長期譲渡の場合)は20%なので、35%の差が生まれ、大幅な節税になるのです。
いや、読んでいても減価賞償却は深いです。まだまだ勉強が足りていません。
大谷氏の本でオススメな本3選
まとめ
だいたいこの手の本って何かに偏っている事が多いが、(物件探し~購入までが強いとか)この本は不動産投資に必要な全般的な知識を語っているので、初心者や中級者が読むのに最適です。体系立てて学んだ事がない人には非常に勉強になると感じました。
また不動産屋さんが書く本はだいたい最終目的が、不動産屋さんへ来てもらうことだと思いますが(何かしら実行を移すには理由があるのでそれは良いと思う)、あまり宣伝感がないのがすごい(それも戦略だよなー)し読みやすい。
比較的客観的に淡々とノウハウを載せているので偏った知識にならないのも初心者から全体的に学んだ人も新しいインプットがあると思いますのでこの機会に不動産の知識を広げてみてはいかがでしょうか?